文: ボストン留学サポート・小松志行

日本の教育では学問が理系か文系かに分類されます。そして、私の解釈では、2つのカテゴリーが下記のような意味合いを持っていると推測します。
●文系: 文学などの文字により理解する学問
●理系: 数字や公式などにより理解する学問

しかし、アメリカの教育では、日本でいう文系とか理系の区別がありません。その理由としては、アメリカ人が全ての学問をサイエンス(科学)であるという考え方を持っているからだと私は考えます。

サイエンスとは、『仮説⇒分析⇒実証』のプロセスから成り立つ実証的なものの考え方です。例えば、私が専攻した社会学(Sociology)は、日本では「文系」に分類される学問ですが、アメリカではSocial Science(社会科学)とも言われサイエンスの一種です。社会という観点からサイエンスする学問だとアメリカ人は考えます。実際、私の母校University of Massachusettsでも、3年生になるとSocial Researchというクラスがあります。学生達が自ら仮説を立てリサーチするこの授業では、私も米国学生達のドラッグに対する意識調査をする為、学生の母集団の中からサンプリングし調査した経験もあります。それは、文学的な思考ではなく明らかに理系の分析的な思考を使いました。

アメリカにおいては、社会学に留まらず、全ての学問において上記のようなプロセスを学びますし、社会に出た後も、この科学的な物の見方が大切であるとされます。なので「難易度の高い●●学部を私は卒業できた!」よりも「●●学部を通じ分析するプロセスを学んだ!」ということのほうがより重要とされるでしょう。それは、社会に出てから多くの事に応用ができるからです。

私の場合も、正直、10年前にアメリカの大学で学んだ知識など殆ど覚えていません。しかし、「仮説⇒分析⇒実証」のプロセスは、自分自身でビジネスをするようになってからも常に役だっています。

実践的な学問を学びたいという方には、アメリカ的な教育の発想もよいと私も思いますが、皆さんはどう思われますか?

tufts-university

              アートの分野でも科学的な物の見方をする米国教育
              名門タフツ大学のアートクラスの授業風景

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