文: ボストン留学サポート・小松志行

演繹法(えんえきほう)と帰納法(きのうほう)という言葉を知ってますか?おそらく多くの方は、「なんだその難しそうな言葉は?」と思われるでしょう。私も、ボストンに留学するまでそう思っていました。しかし、このポイントを理解する事は、ある意味、小学校から英語の知識を暗記するより英語上達に効果的だと、本当に思ってます。

私は留学して、2年目、ボストン郊外のQuincy Collegeという短大に通い始めた時、Intro to Philosophy(入門哲学)を受講しました。哲学の授業のウッズ教授は、”Guys, there are two ways of reasoning; Inductive reasoning and deductive reasoning”「答えを導き出す方法には、演繹法と帰納法という2つがあるんだよ。」
 ①Inductive reasoning:演繹法⇒詳細を詰める事で、結論を導き出す方法
 ②Deductive reasoning:帰納法⇒結論がすでに存在していて、詳細を述べる方法

彼は、言った。『私達は、普段、ものを考える時に結論から考えます。』
 ①I will go shopping, 私はショッピングに行きます。(結論)
 ②because I am free today. なぜなら時間があるので。(理由)

私は、片言の英語で、すかさず日本人はその逆だと反論しました。『No. No. In Japan, it is opposite.』
 ①私は、時間があるので (理由)
 ②ショッピングに行きます。(結論)

一緒にクラスを受けていた中国人やインド人の学生達は、アジア人なので、日本人と同じ考えかと思ったら、なんと彼らも欧米と同じ結論から述べる言語だと言いました。「内心、日本人だけかよ~。。。」とへこんでいたら、韓国人の友人が「コリアンもジャパニーズと一緒だよ」と言ってくれました。

~ポイント~
●私が留学していた時もそうでしたが、「日本人は、YES、NOをはっきり言わず何を考えているのか解らない。」とアメリカ人によく注意されました。一方、欧米人や中国人は自分の意見をはっきり言う印象がありました。

●哲学を学ぶ前は、日本人は国民的に、島国で鎖国もあって歴史的に外国人と話すのに慣れていないから仕方ないと教わって、そう信じていました。

●しかし、実際は、日本人が理由を考え、結論を出そうとしている時、欧米人や中国人は結論を出した上で、あとで理由を述べているので、彼らにしてみると日本人は結論を出すのが遅いという事になってしまうのではと感じました。結果、日本人は『玉虫色のような答えをする』『YESかNOかはっきりしない』と言われてしまうケースがリアルなケースでも起こっていると経験上思います。

●100%、国籍や言語で人の考え方を分けられる程、単純なものではありませんが、日本人のように欧米や中国、インドの人達は考えないという事を認識する事だけでも、異文化の理解が深まると思います。そして、各文化の人達に合わせた対応ができれば、今回のテーマ「日本人はハッキリしない」も解決されるでしょう。皆さんはどう思われますか?

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